粉瘤
粉瘤(アテローム)とは?
- 粉瘤の概要
粉瘤(「表皮嚢腫」や「アテローム」とも呼ばれます)は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に本来剥がれ落ちるはずの垢(角質)や皮脂がたまってしまった良性の腫瘍です。
・見た目: 通常、肌色で少し盛り上がった形をしています。中心部に小さな穴(開口部)があることが多く、そこから白い悪臭のあるもの(角質や皮脂の塊)が出ることがあります。
・発生部位: 顔、首、背中、耳の後ろなど、皮脂腺が多い場所にできやすいです。
- 特徴と症状
・色と形状: 通常は肌色で、触るとやわらかく、ゴムのような弾力があります。
サイズは数ミリから数センチまで様々です。
・症状: 通常は無症状ですが、以下のような症状が現れることがあります。
◦中心部の穴から白い悪臭のある内容物が出る。
◦細菌感染を起こすと、赤く腫れて痛みを伴う(炎症性粉瘤)。
◦袋が破裂すると、強い炎症や痛みを引き起こし、膿が広がることもあります。
・リスク: 以下のようなリスクがあるため、放置せず治療を検討することが推奨されます。
◦細菌感染: 感染すると赤く腫れ、痛みや発熱を引き起こします。
◦袋の破裂: 破裂すると内容物が周囲に広がり、強い炎症や膿瘍を形成することがあります。
当院での治療方法:くり抜き法
1.くり抜き法とは?
当院では、粉瘤の治療に「くり抜き法」を採用しています。これは、粉瘤の中心に小さな穴(2~5mm程度)をあけ、その穴から袋状の腫瘍(粉瘤)を内容物ごと取り出す手術方法です。
2.くり抜き法の特徴
・傷跡が小さい: 一般的な切開法(粉瘤全体を大きく切開して摘出する方法)に比べて、くり抜き法は小さな穴のみで済むため、傷跡が目立ちにくいです。
・手術時間: 通常、15~30分程度で終了します(粉瘤の大きさや状態による)。
・局所麻酔: 手術は局所麻酔で行うため、痛みはほとんどありません。
・ダウンタイム: 傷が小さいため、回復が早く、日常生活への影響が少ないです。
3.手術の流れ
1. 診察と診断: まず、粉瘤の状態を確認し、大きさや深さを評価します。超音波検査が必要なときには病院へ紹介します。
2. 局所麻酔: 手術部位に局所麻酔を施します。
3. くり抜き: 粉瘤の中心に2~5mmの小さな穴をあけ、袋と内容物を丁寧に取り出します。
4. アフターケア: 傷口を清潔に保つためのケア方法を説明します。
5. メリットとデメリット
・メリット:
◦傷跡が小さい(2~5mm程度)。
◦手術時間が短い。
◦回復が早い。
・デメリット:
◦粉瘤が非常に大きい場合や、深部にある場合は適用できないことがあります。
◦再発の可能性がゼロではない(袋の一部が残ると再発するリスクあり)。
粉瘤を放置するリスクと治療の必要性
・放置した場合のリスク:
◦細菌感染による炎症(赤み、痛み、発熱)。
◦袋の破裂による強い炎症や膿瘍形成。
・治療のタイミング:
◦粉瘤が小さいうちに治療することで、手術が簡単になり、傷跡も最小限に抑えられます。
患者様へのメッセージ
粉瘤は悪性ではないことが多いですが、感染や破裂のリスクがあるため、早めの治療をおすすめします。当院のくり抜き法は、傷跡が小さく、回復が早い治療法です。気になる症状がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。診察で状態を確認し、最適な治療プランをご提案します。
さらに詳しい情報(例:手術の詳細、費用、予約方法)が必要な場合や、特定の症状について相談したい場合は、クリニックに直接お問い合わせください。